農家に生まれ育って野菜が嫌いでは食べるものが無かった。50年近くも前の話だが、朝は放し飼いのにわとりが産み捨てた卵を見つけては、卵かけご飯か玉子焼きと相場が決まっていた。もちろん我が家だけの話だが。当時の田舎の食事事情は野菜が主で、野菜嫌いの私には食べるものが無かった。特にねぎと玉葱がうけつけない。喉を通らないのだ。そのうち学校で給食が始まり、何とか残さず食べるよう努力するのだが、ドロドロに煮込んであれば別としてねぎ・玉葱・ピーマンだけはどうしても食べられなかった。そして50を過ぎた今でもそれは変わりない。それでも多少は軽減されて、人様の家へ行った時の自分専用の料理、例えばねぎや玉葱の入った味噌汁だとかサラダとか、そういうものは残すと失礼になるので飲み込むようにしている。いつだったか妻の実家へ行った時、何気なく出された味噌汁を飲もうとして急に吐き気を感じそのままトイレにかけこんで吐いてしまったことがある。何が入っていたのか聞いたところののひろだという。どうも体質的に身体が受け付けないらしい。貧乏学生の頃、オニオンスライスのみををビールのつまみにして美味そうに食べる友を見て思い切って食べようとしたが、一口口に入れて止めたことを思い出した。今はいろいろな野菜が世界中から入ってきて、食べる野菜には事欠かない。野菜嫌いの私でもたまに無性に生野菜が食べたくなることがあり、そういう時はレタス、きゃべつ、きゅうりをマヨネーズで食べる。コンビ二でサラダを買うこともあるが、その時は玉葱の有無を確認してから買うようにしている。ねぎ嫌いは一生続きそうだ。
ねぎはねぎだと一律に思っていた。しかし料理によっていろんな種類のねぎを使っていることを知った。ただ、出された物を食べていた人間には味も一緒で飾りじゃないかなと思う時もあった。気候や温度や土地の栄養分でさまざまなねぎがあった。緑の葉の部分をたべるねぎ。茎の白い部分をたべるあまーいねぎもあった。関東みたいに寒いところは白い部分を食べるねぎが多い。逆に温かいところは葉の部分を食べるように育っている。
ねぎはすっかり薬味としての位置をキープし、日本料理に居座っている。ねぎが無いと何が物足りないな、という料理が数多くあるのだ。例えば日本蕎麦。刻みねぎが無ければ、正直、少し間の抜けた味になってしまう。ねぎを提供しなければ、怒り出す人もいるかもしれない。他には、丼物。それだけ、葱と日本人とは深い関係になってしまっているのである。今回は薬味に限らず、ねぎ料理を色々紹介したいとおもう。
薬味として、ねぎは欠かせません。白ネギ、青ネギとありますが、我が家ねぎが好きなので、いつも冷蔵庫には入れていたいです。しろねぎは、炊いてもおいしいし、炒めてもおいしいし、本当になんにでもいけます。このレシピにもう少し野菜を入れたいなと思う時、白ネギは結構役に立ちます。青ネギは、調理の仕上げに、青物がほしいなと思えば小口に切ったねぎを散らします。それがあるかないかでも、見た目が全く変わってくるほどです。鍋に欠かせない鶏肉だんご。
ねぎは、原産地である中国にて紀元前から栽培されていて、薬用植物としても重宝されていたといわれています。日本でもねぎは、地方によっていろいろな品種が栽培されています。関東で「ねぎ」と言えば、根深ねぎのことを指します。根深ねぎとは、太ねぎや白ねぎとも呼ばれ、ねぎのなかではもっとも背が高い品種です。今では、全国的に年中店頭に並び食べられているねぎと言われています。加賀ねぎや千住ねぎは、根深ねぎの代表的な品種といわれています。根深ねぎは、軟白部分が白く、青葉の部分が濃く真っ青もので、境目がはっきりしているものが良品とされています。
ねぎ、ねぎで思いつくのは、風邪をひいたときにのどに湿布みたいにして貼ると言うことです。子どもの頃風邪をひくと必ず母親がガーゼにねぎをくるんでのどに巻いたものでした。心なしか咳が治まった記憶があります。鼻ずまりのときは白根をはいで鼻の下にはるといいらしいとか。こんなに薬効成分のあるねぎでも与えてはいけない動物があるみたいです。それは猫科みたいです。しらないと大変ですね。